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阿部武司 解説
全3巻・B5判・上製・総約1,800頁
本体:84,000円+税
4-284-50014-7 NDC 503
2006年10月刊 |
〈特色〉
●戦間期から戦後初期、日本の工業化の発展過程において、各工場・鉱山がどのように変遷していったかを明らかにする基本データ集!
●「工場統計表」「府県統計書」「工場通覧」「全国工場通覧」とともに利用度の高い好資料。
●各資料は、地域別・産業別による工場名(鉱山名)、所在地、主要生産品、職工数(男女)など。第1巻巻頭に解説を付す。経営史・地域産業史研究に必携の資料。
〈巻構成および底本〉
第1巻 |
『全國主要工場鑛山名簿』(草間時光編 大正11年 協調会)
『全國工場鑛山名簿』(草間時光編 大正13年 協調会) |
第2巻 |
『全國工場鑛山名簿』(町田辰次郎編 昭和7年 協調会)
『全國工場鑛山名簿』(蒲生俊文編 昭和12年 協調会産業福利部) |
第3巻 |
『全國工場、鑛山、事業場名簿』(大出定男編 昭和22年 日本産業福利協会) |
〈底本について〉
●大正11年 「全國主要工場鑛山名簿」。凡例に「本書ハ本会労務課ニ於ケル國内労働事情調査ニ資セムカ為メ今回主要工場鑛山に関スル資料ヲ蒐集整理シタルモノ」とある。
●大正13年「全國工場鉱山名簿」 例言に(13年版)と記載され、その中で「本書ノ内容ハ内務省社会局ニ於テ各種工場鑛山ニ就キ大正十一年十二月末日現在ヲ以テ調査シタルモノノ内職鑛夫五十人以上使用工場鑛山ヲ蒐集」と述べている。年版を明記しているのは、同書と昭和7年のみである。
●昭和7年「全國工場鑛山名簿」 例言で「本書ノ内容ハ内務省社会局ニ於テ各種工場鑛山ニ就キ昭和六年十月一日現在ヲ以テ調査シタルモノ 内職工鑛夫五十人以上(調査日ニ於テ)使用ノ工場鉱山ヲ集録」としている。
●昭和12年「全國工場鑛山名簿」。発行元が、協調会から協調会産業福利部となる。凡例に「本書は常時五十人以上を使用する工場鑛山につき昭和十一年十月一日現在を以て内務省社会局に於て調査したる資料に基き編纂」とある。また、本年は民間経営のみ、とある。
●昭和22年「全國工場、鑛山、事業場名簿」。凡例に「本名簿は昭和二十一年五月一日現在、民間経営の全國工場鑛山、事業場に於て、従業員三十人以上を使用せるものを調査し、爾後同年十二月末日迄に変更あったものは、知り得た範囲で訂正を加えた」とある。
〈刊行にあたって〉
阿部武司(大阪大学教授)
このたび復刻される『全国工場鉱山名簿』は、比較的大規模な工場や鉱山の名称、所在地、産業、主要生産品、男女別の職工・鉱夫数を記載した資料集であり、戦間期の大正11年、同13年、昭和7年、同12年の4年次分が協調会によって、昭和22年分が日本産業福利協会によって、それぞれ取りまとめられている。
これらの資料集が、第一次大戦によるバブルの崩壊直後、関東大震災直後、昭和恐慌直後、日中戦争勃発直後、敗戦直後といういずれも日本経済史上のクリティカルな時期に出版されたのは決して偶然ではなく、当時の財界がおそらく、当時隆盛をきわめた労働運動への対抗上有していた、主要な工場や鉱山の実態に関する深い関心を反映するものであろう。
この一連の資料集はこれまで研究者にもあまり知られていなかったようであるが、すでに復刻されている『工場通覧』につなげて使用することによって、各事業所ないし各企業の従業員数の推移などを追うことが可能になる。
とくに、実態が容易に判明しない官営工場のデータは貴重と思われる。
この資料集の活用は、日本において経営史、経済史、産業史、労働史、地域史などの分野の研究を前進させるのみならず、近年欧米で盛んになっている大企業のランキング表の作成などを通じて比較経営史の分野にも大きく貢献することになろう。
『全国工場鉱山名簿』が全国の主要な図書館に備えられ、広く活用されることを強く希望する。 |
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