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東京国立近代美術館フィルムセンター 監修
牧野守/ピーター・B・ハーイ 解説
全4巻・ B5判・上製・総約2,200頁
本体:160,000円+税
ISBN4-284-20009-7 NDC 778.21
2006年4月刊 |
〈底本〉
『昭和十八年・十九年・二十年 映画年鑑』全4冊
(東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵)
※底本について
本資料は、全4冊に分かれ、第1分冊に津田時雄の「序」(昭和28年12月18日)が掲載されている。この中で「この原稿は昭和21年に上梓すべく、当時出版統制(検閲)を行っていたGHQの機関に数時に亘って事前交渉をしたのであったが、『占領行政に好ましからぬもの』として拒否され」、その後、国立近代美術館フィルムライブラリーに渡った経緯を述べている。
手書き原稿、タイプ印刷、雑誌切り抜き、などで構成され、随所に統計資料などが折り込みで挿入されている。国の統計資料や終戦後のGHQ統制下のデータも含まれている本資料は、まさに第一級の原資料である。
〈刊行にあたって〉
東京国立近代美術館フィルムセンター
本資料は当初「昭和十八年 映画年鑑」の後続誌として、日本映画雑誌協会からの刊行が予定されていたが、戦局の逼迫と敗戦の混乱によりついに日の目を見ることのなかった《幻の年鑑》である。もともと昭和16年の映画雑誌統合によって生れた日本映画雑誌協会は18年末には解散に至り、年鑑の刊行事業はさらに社団法人大日本映画協会(昭和19年1月発足)、社団法人映画公社(昭和20年4月設立)へと引き継がれるが、いずれも実現を見ないまま終戦を迎えたのである。一方、あとに残された膨大な直筆原稿は編纂者、津田時雄の働きで散逸を免れ、昭和27年に新設された国立近代美術館フィルムライブラリー(現在のフィルムセンター)へと委ねられた。その内訳は2000枚にも及ぶ200字詰原稿用紙と統計、法規などの折り込み資料であり、終戦直後に加筆された部分も含め昭和18年から20年の占領期まで3年間にわたる映画界の動きが克明に書き記されている。今回の復刻は、この分野の史的調査に不可欠な年鑑の欠落を補うばかりでなく、昭和18年の映画雑誌第二次統合を経てあらゆる専門誌が廃刊に追い込まれていった《映画ジャーナリズムの空白期》を埋める大きな手がかりとなるはずである。
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