日本平和論大系
     
  家永三郎 責任編集
  木下順二・坂本義和・宮田光雄・岩本努 編
  全20巻・A5判・上製・各巻平均420頁
  揃本体:130,000円+税
  各巻本体:6,500+税
  第1期 1〜10 揃本体:65,000+税
  第2期 11〜20 揃本体:65,000+税
  NDC918
  ISBN4-8205-7162-1(第1期)
  ISBN4-8205-7163-X(第2期)
  第1期 1993年10月刊 第2期1994年4月刊  
   
《特色》
● 江戸中期から15年戦争の敗戦まで。
拡大する戦争と過酷な圧力に抗して、
日本人は<戦争と平和>をどのように
考えてきたのか。
論文から演説・講演・文学作品・庶民の
記録まで、 初めての
<反戦・反軍・平和思想>の集大成!

《全巻内容》
●第I期配本〈第1巻〜第10巻〉
●第II期配本〈第11〜第20巻〉
1 安藤昌益
  統道真伝(抄)(解説=家永三郎)
 植木枝盛
  戦ハ天ニ対シテ大罪アルコト雑ヘタリ……
  兵ノ大旨ハ国憲ヲ護衛スルニ在リ
  板垣政法論 他(解説=家永三郎)
 中江兆民
  三酔人経論問答(解説=家永三郎)
 北村透谷
  「平和」発行之辞/想断々/平和の君の王国/
  最後の勝利者は誰ぞ/トルストイ伯/一種の攘夷
  思想/聖書平和之教/「平和」(抄) 他(解説=家永三郎)
2 幸徳秋水
  廿世紀之怪物帝国主義
  子は直言す
  婦人と戦争(解説=家永三郎)
 安部磯雄
  社会民主党宣言(解説=川村善二郎)
 週刊平民新聞(抄)
  発刊の序/吾人は飽くまで戦争を非認す/
  戦争と道徳/戦争来/戦争の影/戦争と
  新聞紙/与露国社会党書/戦争と小学児童/
  嗚呼増税!/婦人と政治/敬愛なる朝鮮/
  トルストイ翁の日露戦争論/非戦論を止めず/
  終刊の辞 他(解説=川村善二郎)
3 木下尚江
  (解説=後神俊文)
  火の柱
  懺悔
  荒野
  「直言」論説(抄)
  愛国心欠乏の原因/遺族扶助料の争議/俘虜諸君に告ぐ/
  吾党の候補者/大軍備の児戯/「平和」に急げ/来るべき
  専制力/政府の猛省を促す
4 内村鑑三
  冨と徳/戦争廃止論/平和の福音/戦時に於ける非戦主義者
  の態度/平和の希望 他(解説=武田清子)
 柏木義円
  戦争と平和/戦争に対する吾人の態度/秩序壊乱とは何ぞや
  /乃木大将と自殺/殺す勿れ 他(解説=林達夫)
 河井 道
  病院と戦争/私は戦いは嫌い/アメリカでの講演より/事変の
  下にありて
  (解説=竹内久顕)
5 田中正造
  亡国に至るを知らざれば之即ち亡国の儀に付 質問書(帝国議会演説)
  日記(解説=鹿野政直)
 朝永三十郎
  カントの平和論(解説=宮田光雄)
 反戦平和文芸集
  児玉花外「不滅の火」 他(解説=山田貞光)/小塚空谷「失業者の歌」
  「労働軍歌(再び)」(解説=山田貞光)/大塚甲山「今はの写しゑ」 「露
  国の兵士居村を辞す」 他(解説=今谷弘)/与謝野晶子「君しにたまふ
  こと勿れ」「怖ろしい兄弟」(解説=香内信子)/大塚楠緒子「お百度詣」
  (解説=香内信子)/樋口配天「梭の音」 他(解説=岩本努)/安藤正楽
  「削られた碑文」「徴兵反対の歌」(解説=山上次郎)/田山花袋「兵卒」
  (解説=小林茂夫)/広津柳浪「非国民」「昇降場」(解説=家永三郎)/
  中勘助「銀の匙(抄)」(解説=小林茂夫)/泉鏡花「海城発電」(解説=小林
  茂夫 )/槇村浩「生ける銃架」「間島パルチザンの歌」 他(解説=西森茂
  夫)/長谷川如是閑「戦争絶滅受合法案」/鶴彬「反戦川柳」軍神の像の
  真下の失業者 他(解説=一叩人)/児童詩・作文(解説=江口季好)
6 吉野作造
  出兵論と現代青年の世界的傾向/国際平和思想/平和思想徹底の機正
  に熟せり/軍縮問題の狙いどころ/民族と階級と戦争 他(解説=三谷太一郎)
 石橋湛山
  一切を棄つるの覚悟/大日本主義の幻想/軍人跋扈の源を絶つ可し/
  所謂対支二十一個条要求の歴史と将来/「死も又社会奉仕」 他(解説=
  長幸男 )
7 水野広徳
  無産階級と国防問題
  書評 米国怖るゝに足らず
  (解説=家永三郎)
 松下芳男
  資本主義と戦争
  無産階級と国際戦
  軍政改革論(解説=家永三郎)
 美濃部達吉
  憲法撮要(抄)
  陸軍省発表の国防論を読む
  国家主義の思想とその限界
  (解説=家永三郎)
8 日本左翼文芸家総連合編
 戦争に対する戦争
  (解説=西田勝)
 越中谷利一
  (解説=大牧冨士夫)
  江口渙「馬車屋と軍人」/越中谷利一「一兵卒の震災手記」/
  藤田満雄「ポチョムキン・ダブリチェスキー」/林房雄「鎖」/鹿
  地亘「兵士」/金子洋文「眼」/小堀甚二「パルチザン」/北村
  小松「一等症」/黒島伝治「橇」/前田河広一郎「犬」/光成信男
  「一本足」/村山知義「砂漠で」/小川未明「野薔薇」/里村欣三
  「シベリヤに近く」/島田美彦「兵と兵」/島影盟「麺麭」/高田保
  「勇士一家/武田麟太郎「敗戦主義」/立野信之「標的になった
  彼奴 」/壷井繁治「頭の中の兵士」

  谷一等兵
  戒厳令と兵卒
  一兵卒多仲の死 他
9 桐生悠々
  (解説=太田雅夫)
  関東防空大演習を嗤う/国体明徴を/皇軍を私兵化した軍部/
  日支事変の見透しつかず/天佑に馴れ過ぎた日本/始めあって
  終りなき日支事変/新体制その名は独裁政治/超畜生道の地球
  を去る
10 矢内原忠雄
  (解説=宮田光雄)
  民族と平和/民族と国家/思想善導という事/悲哀の人/時局
  と学生/自由と青年/『朝日講堂以後』付 覚悟/民族と平和の
  ために/民族精神と日支交渉/ナチス協定と自由/民族と伝統/
  国家の理想/神の国 付講演会記/前十年と後十年/社会の理想
  /基督教と日本/新卒業生に与う/基督教の主張と反省
    *本大系は家永三郎氏の長年にわたる歴史家としての研究を核に編集委員の意見を      補完し、より充実した内容を期した。
    *十四巻以降の時代については、さらに厳しい言論弾圧下にあり、反戦・平和に関す      る著作は皆無に等しくそれらは切実な行動によってのみ示され、戦後になってよう      やく記述されたものである。
11 横田喜三郎
   満州事変と国際連盟(解説=家永三郎)
   石川三四郎
   「ディナミック」(抄)
   墨子非戦論
   満州事変
   如何に祖国を愛すべきか(解説=大沢正道)
   無産政党・労働者の反戦運動資料
   明治社会主義者と朝鮮問題
   片山潜の反戦論
   大山郁夫の反軍事教育論
   コミンテルンの日本に関するテーゼ
   無産政党・労働者の反戦論
   中国における日本人反戦同盟の記録
   (解説=犬丸義一)
12 正木ひろし
   近きより(抄)(解説=古賀正義)
  清沢 洌
   暗黒日記(抄)
   甘粕と大杉の対話
   戦後世界秩序私案(解説=山本義彦)
13 南原 繁
   形相(解説=道家弘一郎)
  政池 仁
   愛国者の平和論
   基督教平和論
   絶対無抵抗主義
   基督教平和論発禁その後
   基督教は戦争を肯定するか(解説=武祐一郎)
  浅見仙作
   小十字架(解説=武田清子)
14 兵役を拒否した日本人 灯台社の戦時下抵抗  稲垣真美
  仏陀を背負いて街頭へ 妹尾義郎と新興仏教青年同盟  稲垣真美
  宗教弾圧を語る  小池健治・西川重則・村上重良 編
15 もうひとつの反戦譜 戦中の落書、替え歌にみる  稲垣真美
  旧制一高における非戦の歌・落書  稲垣真美
  不敬・反戦反軍の記録  内務省警保局
16 徴兵忌避の研究(抄)  菊池邦作
  戦艦三笠の反乱 帝国海軍裏面史  山木茂
17 長谷川テル作品集 反戦エスペランチスト  宮本正男 編
  祖国を敵として 一在米日本人の反戦運動  岡直樹・塩田庄兵衛・藤原彰 編
18 神と愛と戦争 あるキリスト者の戦中日記  森下二郎
  ある徴兵拒否者の歩み トルストイに導かれて  北御門二郎
19 異説 学徒出陣  小林完太郎
  怯兵記 サイパン投降兵の手記  山内武夫
20 紐育ラプソディ ある日本人米共産党員の回想  芳賀武
  さよなら日本 絵本作家・八島太郎と光子の亡命  宇佐美承

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