好評の詩集『おかあさん』(サトウハチロー)、『智恵子抄』(高村光太郎)に続き、愛歳版詩集シリーズが新しくスタートします。今もその輝きを失わない日本の名詩集が、デザイン文字など初版の香りを生かした美しい装丁と堅牢な造本により<愛蔵版>としてよみがえりました。文庫本では味わうことのできない探い感動の世界に読者を誘います。(年譜・解題付)

巻数
書籍
書名と作者名
内容
1
山羊の歌
中原中也
本体2,200円+税
『山羊の歌』初刊は昭和9(1934)年12月に文圃堂より刊行。中也の詩は戦前・戦後を通じて常に青年たちの心をとらえてきました。現代でも最もひろい読者をもつ詩人のひとりとして、愛唱されています。孤独な魂の告白ともいうべき美しい調べを、オリジナルの装丁をいかした愛蔵版でお届けします。愛する人へのプレゼントにも最適です。
ISBN4-8205-1995-6
2
春と修羅
宮沢賢治
本体2,800円+税
『春と修羅』の初刊は大正13年4月関根書店より刊行。「無声慟哭」をはじめ名詩の数々は現代に於ても高い人気を誇っています。
ISBN4-8205-1994-8
3
思ひ出
北原白秋
本体2.800円+税
「自叙伝として見て欲しい」(序『わが生ひたち』)。北原白秋の第二詩集『思ひ出』の初刊は明治44年6月、東雲堂書店より刊行。郷里柳川の風物や幼少時の生活を華麗な散文でつづった長文の序〈わが生ひたち〉と,〈序詩〉のほか190編の詩を収めています。その清新な詩から、美しい郷土柳川の風物を背景に、感性 豊かな、秘密多き白秋の幼少時代が蘇ります。 
ISBN4-8205-1997-2
4
月に吠える
萩原朔太郎
本体2,800円+税
『月に吠える』の初刊は大正6年2月、感情詩社・白日社出版部より刊行。〈竹とその哀傷〉 〈雲雀料理〉〈悲しい月夜〉〈くさつた蛤〉〈さびしい情欲〉〈見知らぬ犬〉〈長詩二篇〉の章から成り、1914年後半から15年前半までの約1年間に爆発的に制作された作品が主体をなします。  尖鋭な感覚表現で自己の内的世界を描いた魂の詩。その鮮烈な印象は現代でも色あせることなく、人々の心を魅了しています。
ISBN4-8205-1996-4
5
秋の瞳
八木重吉
本体2,200円+税
八木重吉は、1898年東京府(現、町田市)に生まれる。1919年に受洗していたが、その後内村鑑三の影響により無教会主義の信仰に近づく。1922年島田とみと結婚、この頃より詩と信仰の合一を目指しての精神がつづけられる。1925年(重吉27歳)、処女詩集『秋の瞳』を新潮社より出版。この翌年から病臥。一年余の闘病生活ののち1927年10月、29歳の若さで昇天。〈究極においては、子供のような詩をのぞ〉むといった詩境はさらに純一であり、〈日本の基督に関する詩〉の〈最高〉(草野心平)とみる批評もある。
ISBN4-8205-1859-3
6
萱草わすれぐさに寄す
立原道造
本体2,200円+税
収められた詩はすべてソネット形式(一四行詩)をとっている。楽譜を模した装丁をはじめ、徹頭徹尾、音楽が意識された詩集である。この詩集は、愛を主題にして青春の生の陰翳をことばの隅々に託した昭和の代表的な抒情詩集である。
ISBN4-8205-1860-7
7
道程
高村光太郎
本体2,800円+税
「〈道程〉は“泥七宝”の小曲を境にして截然と前後に切れている」と著者自身のちに回想して言うとおり、心身ともに反逆、焦燥、退廃の生活に没入していた時期に出来た前半部と智恵子との恋愛の時期に重なる後半部とからなる。若き日のいらだち、苦悩の中で智恵子と出会い、愛を育み生きる。年次順に配列したこの詩集は、光太郎自らが築き歩んだ道。近代詩の扉を開け放った名作です。
ISBN4-8205-1861-5
8
愛の詩集
室生犀星
本体2,500円+税
愛の詩集」の初刊は大正7年1月、感情詩社より刊行。愛とは日常の中にある人生の幸福。生命の愛、生活の愛、人生の愛などを、極めて率直で親しみやすい独走的な表現でうたった犀星の第一詩集です。
ISBN4-8205-1862-3
9
山村暮鳥
本体2,200円+税
『雲』の初刊は大正14年1月イデア書院より刊行。雲、月、子どもなど身近な自然や人間を暖かな眼差しで見つめた暮鳥。万苦の末にたどりついた枯淡の境地で読んだ詩は、芭蕉や良寛の詩境に肩を並べるものです。
ISBN4-8205-2724-X
10
測量船
三好達治
本体2,200円+税
『測量船』の初刊は昭和5年12月第一書房より刊行。有名な「乳母車」「雪」などの名詞を収録。昭和史に新しい抒情の世界をうたった名詩集として、最も長く広く愛読されている一冊です。
ISBN4-8205-2723-1
11
夜明け前のさよなら
中野重治
本体2,200円+税
中野重治 1902〜1979年 福井県生まれ。昭和期の詩人。小説家、評論家。東京大学卒業。プロレタリア文学運動の代表的理論家として活躍。著者に「鉄の話」「梨の花」「甲乙丙丁」など。
ISBN4-8205-2725-8
12
わがひとに与ふる哀歌
伊東静雄
本体2,200円+税
青春の痛みと誇りの絶唱に満ちた、昭和10年刊行の第一詩集「わがひとに与ふる哀歌」と昭和15年刊の第二詩集「夏花」を収録。閉塞した現実を超える内的世界うたった清冽な思想詩です。
4-8205-2726-6
13
定本 蛙
草野心平
本体2,200円+税
生命力への讃美、ユーモア、弱者への激励。蛙を通して《人間》を見つめたヒューマニズムあふれる詩集です。生命力への讃美、ユーモア、弱者への激励。蛙を通して《人間》を見つめたヒューマニズムあふれる詩集です。
ISBN4-8205-4075-08/font>
14
二十億光年の孤独
谷川俊太郎
本体2,200円+税
みずみずしい躍動と豊潤な感性で、明るい透明な孤独をうたった青春詩集です。
ISBN4-8205-4076-9
15
智恵子抄
高村光太郎
本体2,500円+税
1911年、智恵子が光太郎の前に現われた。光太郎は、彼女への思いを詩にしたためた。貧苦の中、同棲をはじめた二人は、芸術制作に励むが、やがて智恵子は心を病み、光太郎が献身的に看病をすることとなる。病む智恵子は千数百点にものぼる紙絵を作った。一方智恵子の死後、光太郎が変わらぬ愛を綴り、世に出したのがレクイエム『智恵子抄』であった。
ISBN4-8205-2721-5